高齢になると、外出するのが億劫になりがちです。身体的な不自由さを抱えていればなおさらでしょう。高齢者が寝たきりになる一番の原因は、閉じこもりだと言われています。最初は家から出なくなり、次第に布団やベッドから出なくなってしまうのです。体を動かさなければ、筋肉や関節機能、内蔵の機能などが当然ながら低下していきます。そうなる前に、外の世界に関心を持ってもらえるよう手を打たなくてはなりません。
何かきっかけや目的があると、外出しやすいでしょう。友人に会うといった目的なら、楽しく出かけられるかもしれません。「仲間作り」ができる場所は意外に多く、デイケアやデイサービス、レクリエーションセンター、機能回復訓練教室などがあります。他にも、脳卒中友の会やパーキンソン病友の会、認知症の人と家族の会など、同じ障害者同士の集まりもあります。
同じ年代の人たちや、自分と同じ病気や障害を持っている人たちとなら、気持ちを共有しやすく親しくなりやすいでしょう。そこで、誕生日やお花見、趣味の会など年に何度かスペシャルなイベントを行えば、大きな楽しみにもつながります。
気の合う友人や仲間ができれば行動範囲が広がり、生活面での張り合いや気力も出てきます。「仲間作り」は、高齢者の閉じこもりや寝たきりを防ぐ最も有効な方法と言えるでしょう。高齢者が、生きていて楽しい、良かったと心から感じられるふれあいの場や時間を、周囲の人たちがつくってあげることが大切です。高齢者の元気につながる取り組み例は、<高齢者の心身を守る「ふれあい」の力>にも集められているのでおすすめです。